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潔癖症?それとも・・・

先日、久しぶりに会った友人からの質問。

僕が一人で設計の仕事を始めたということで、ちょっと聞きたいことがあるそうな。

「いやぁ、今賃貸に住んでるんだけど、浴室の換気扇が全然効かなくて!すぐカビ臭くなっちゃうんだよね~。どうしたらいいと思う?」

・・・。

え? ってそれ? 笑

てっきり住宅でも建てたいという相談かと思い、軽く落胆したのは言うまでもない。

いや、単に引っ越しすればいいじゃん!と思ったのだけれど。

それは心に秘め、ちょっとアドバイスをしたところ随分喜んでくれた。

そしてお礼のメールまでくれたので書いてみようと思う。

この友人は、僕に言わせると 潔癖症かよっ!笑 と思うところがあって、いろんな臭いが気になるらしい。特にカビ臭には敏感だそうで、特に浴室は、カビが発生しないようシャワー後には1時間ほど浴室乾燥機を回しているという徹底ぶり。ところが、乾燥機の効果が無いのか、それでも臭いが気になるらしく、月に2回ほど浴室天井の換気扇カバーなどを取り外し掃除をしているという。

・・・なんと、無駄な。爆笑

そんなに掃除しなくても良いはずなのに。笑

そこで、僕がアドバイスしたのは、主にこの2点。

1点目。排気口の掃除。

特に見落としなのがコレ。換気扇の(外壁側の)排気口には虫が入ってこないよう防虫網を設けてあることが多いのだけれど、そこにホコリが溜まっていると湿気がなかなか外に逃げない。空気はかろうじて抜けるけれど、粒子が大きい水蒸気は抜けきれず逆流し、また浴室内に戻ってきて湿度は下がりにくい。そのためカビが発生しやすいというわけ。

下の写真が排気口の拡大写真で、奥にうっすら見える細かい編み目のヤツが防虫網。

僕もそうなのだけれど、賃貸に住んでいると室内のことしか気にしないんですよね。でも、ここのホコリが無くなるとビックリするくらい換気扇の効率が上がります。

ちなみにこの友人は、それから3週間、浴室乾燥を使わず換気扇だけでカビ臭から解放されたのだとか。 どんだけホコリまみれだったんだよっ!笑

2点目。浴室乾燥機を使う前の換気。

浴室乾燥機を使っている人のほとんどが勘違いしてると思う。

例えばこれからの梅雨の時期、洗濯物を外に干せず浴室乾燥機を使う場合、そして友人のようにシャワー後に室内を乾燥させる場合もそうだけれど、乾燥機を使う前に、先に換気扇を1~2時間ほど回した方が良いそうな。

写真の表は賃貸にも設置してあるような100Vの(電気式)浴室乾燥機の特性表だけど、これ見ると乾燥時より換気(弱)の方が換気量が多い。その差1.5倍以上!

衣類等を洗濯機から取り出した直後は衣類にも、そしてその周りの空気中にも水分がたくさんある状態なので、換気を促し水分を外に出してあげた方が効率が良い。その後、空気中の水分(水蒸気)がそれなりに抜けた状態で乾燥させるとしっかり乾くというわけ。

それに、乾燥機はエネルギーたくさん使うし、換気扇併用の方が省エネですね。

「とまぁ、こんなところまで設備の性能を読み込みながら、住宅の設計してんだよ~。」という僕の言葉は耳に届いたのかは分かりませんが、その友人の生活は快適になったのだとか。

浴室乾燥機、これから出番が多いと思うのでしっかりメンテナンスして効率よく梅雨を乗り越えましょう。という話でした。

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