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➕(プラス)ビフォー・アフターを公開

今回、改修前の既存住宅がどのように変わったか。分かりやすくまとめてみようと思います。

基本的に左(or上)が改修前の既存写真、そして右(or上)が改修後の写真です。

※尚、既存写真につきましてはまだお住まいになっていた頃の写真と解体直前の写真が混ざっていることをご理解ください。

少し解説も入れながら記載します。

玄関まわり

今回は予算の関係から、外装はほぼ手をつけずに玄関周りの改修に限定しました。

目的の一つとしてバリアフリーがあったため、将来昇降機を取り付けることを前提に「玄関外→玄関内→廊下」をほぼフラットに。車椅子でも使用できる計画としました。

昇降機は植栽を植えているスペースに設置できるようにし、そのための電源等も設置しています。

玄関内

暗かった玄関内側。写真のように、昼間でも電気をつける生活でした。

そして足元が見えづらいと転ぶ危険性が高まります。そのため扉を木框扉の磨りガラス仕様とし明るくしました。広さも確保し、車椅子の回転も余裕をもって行えます。ちなみに玄関横には手をつけるような手摺棚も設置しています。

リビング・ダイニング

改修前は6畳が2つ続きの部屋になっており、その1部屋を居間として使用されていらっしゃいました。ダイニングが別にあった間取りを、車椅子でも生活できるよう広いリビング・ダイニングルームに変更し、家具で仕切った奥にキッチンを配置しています。

また吹き抜けを設けることにより、明るさと風の通り道を確保しました。

住宅街にありながらプライバシーを守り、リビングでも周りを気にせず自然の気持ち良さを感じることができるようにしました。

寝室1(1F)

2Fに2部屋あった寝室の1つを1Fに移動しました。

目的は車椅子でも生活が成り立つように です。

そう。ご夫婦お二人のうち、一人が車椅子が必要になっても二人で助け合うことによって生活できるよう計画しました。

車椅子で生活するための住宅を設計するのは初めてだったので、僕の友人の友人の友人?(もはや完全に他人ですね)で福祉関係の方がいらっしゃったので相談させていただきました。多くの方は車椅子が必要になるだけで孤独な生活が始まるのだそうです。

寝室は寝るための部屋であり、また孤独な環境が多いですよね。孤独な生活にならないよう今回はリビングに隣接させ、車椅子の生活になっても今までと変わらず生活できるようにしました。また孤立感を緩和させるため、部屋として仕切るのではなく、家具とカーテンで緩やかに区切り、くつろげるスペースとしました。

キッチン

以前はダイニングキッチンで1部屋だったところを、壁を取り払いキッチン単独の作りとし、家具でリビングと仕切りました。これにより吹き抜けから明るい光が差し込む空間となります。

そしてキッチンシンク・コンロは車椅子でも使える仕様に設計しました。

車椅子が使えるキッチンのポイントは、キッチン下に足を入れるためのスペースを確保することです。これがどう探しても既成の商品ではなく(製品としてはあってもサイズが合わなかったりしたため)大工さんに特注で作っていただきました。

ただ今は普通に生活できるため、キッチン下には可動式の収納を設置して生活していただいています。

トイレ

以前は0.7畳分のスペースだったトイレを浴室の脱衣室と兼用させ、3畳のスペースを確保しました。

また今回どうしても取り外せない柱が出てきましたが、その柱の位置に合わせ便器を設置することにより、柱が手すりの機能を果たすようにしました。これも福祉関係の方からアドバイスを頂き、検証に検証を重ね補助する側のスペース等も考慮し位置を決めました。

ちなみに、写真右上の天井が斜めになっているのは、階段下のスペースだからですね。また向かって右側の壁に(穴が空いているのは分かりますか?こちらにはトイレットペーパーのストックを置ける収納スペースにしています。

洗面所

以前は暗くて狭かった洗面スペース。

そして小さい洗面器のため水跳ねしてしまい、床がベコベコになっていました。

写真では分かりづらいですが、大きく(水跳ねしづらいように)深めの洗面台にし、また車椅子でも不便がないよう正面の低い位置にも鏡を設置しました。

階段

階段は位置を少し移動させ、窓のある位置に配置しました。こちらの写真では分かりづらいですが、勾配を緩くし長ーい手すりを設置。

さらに、狭さを感じさせないよう壁を作らず間柱(柱より細いもの)を使い落下防止を施しました。小さいお子さまだと間をすり抜けるのですが、ご夫婦お二人なのでご理解いただきこのような仕様にしています。

クローゼット

きちんと収納箇所を決め、整理しやすいよう棚やハンガーパイプを設置しました。

目的が洋服の収納なので、窓の面積を減らしつつ暗くない程度の明るさを確保しました。

寝室2

ほぼ全く同じ形状で、ベッドを置く位置に手摺りを取り付けました。

吹き抜け上

上の写真は、上下でほぼ同じ角度の写真になります。

この部屋は住宅で一番陽当たり・風通しが良いところだったので、この良い環境を1階に広げるために吹抜にしました。

こちらの吹抜け空間は床を汚れづらい白タイルに変更し、さらに壁・天井の仕上げ材を他の部屋よりも白に近づけた仕様にしています。

これは

①白に近い色にすることにより反射率を上げ、1階をなるべく明るくすること

②1階とはまた違った空間の印象にするため です。

これにより、ちょっと調子が良くない時、天気が良くなく気分が下がる時などに2Fの明るい部屋で、またいつもと違った気分を味わってもらえたらこの住宅がより居心地の良い場所になるのではないかと思いました。

これらの中にはもっとたくさんの「細かすぎて伝わらない」仕掛けがあります。クライアントさんに住みながら見つけてもらえたら嬉しく思います。

竣工写真もご一緒にどうぞ → atelier signの作品「

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