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ひと手間・ひと工夫

今年に入って始めたことがある。

それは料理とファッションを学ぶこと。

まだ設計事務所でスタッフとして働いていた頃、時間が惜しく料理を作ることを諦めた。それからずっと外食ばかり。その名残で独立してからもその習慣が続いていたのだけれど、友人・知人の勧めもあって今年から料理を作るようになった。

1ヶ月ほど前、とある方と「自炊したお米が美味しい」という話をしていたら、お土産に「焼海苔」を頂いた。多分とても良いものなのだろう、熱々のご飯にのせて食べると本当に美味しい。

そして先日ふと、もっと美味しい食べ方はないのか?

と思うことがあった。

ということで、困ったときはgoogle先生頼り。

(油は引かず、1分ほど)フライパンで少し加熱する(焼く)と美味しいらしい。

この「加熱」というひと手間を加えるだけで、うまみ成分がアップし風味や香りが全然違う。

さらにもうひと工夫。加熱した海苔をこすり合わせるようにして揉みちぎる。こうすることで表面積が増えるので、香りがより強くなる。

ほうほう。

そういえば小さい頃、おばちゃんが七輪で海苔を焼きながら食べていたなぁ。ということを思い出しながらやってみたけれど、これは凄い!

控え目に言って、ご飯の美味しさが3割増し!

たったこれだけで本当に全然違うものである。

(白く見えるのは、煮干しです。笑)

もう一つ、ファッション。

これもスタッフ時代からの習慣を見直したくて始めたこと。

僕ら住宅設計者は、直にクライアントとお会いして打合せをすることが多い。一方その際の服装はというと、僕が勤めた事務所は結構ラフで、Tシャツ(冬はスウェットorセーター)・ジーンズ・スニーカーという格好が多く、これが個人的に気になっていた。一つの組織に属している時はそれで良いと思うのだけれど、独立してからは気を遣う必要性を感じファッションを学ぶことにした。

こちらの説明、意味分かりますか? 笑

トップス(この場合、カットソー)の「裾」部分の話なのだけれど、サイドに3~4cm程度のスリットを入れるかどうかで「皴」「陰影」の入り方が変わり、見え方に大きな違いが出てくるのだという。

(興味がある方はこちらの漫画「服を着るならこんなふうに」の第37話に説明があります。おもしろく、僕は書籍も持っています。笑)

初めは、そんなことで??? と半信半疑だったけれど、比べてみると明らかに違う。

普段僕らが何気なく見過ごしていることにも、プロはたくさんの試行錯誤を工夫を凝らしている。

これは、僕らの設計においても同じことだと思う。

僕らは住宅を設計する際、使用するフローリングやクロス、タイルの素材、また設備機器の一つ一つをカタログで読み込み、サンプルを取り寄せる。時には実物を見に行きしっかり吟味する。それは、寸法や性能だけの比較だけではなく、質感や継ぎ目の入る位置、また角の丸みの大きさなど細かいディテールまで確認する為である。そしてもちろん、納得のいくディテールを考え、カタチにする。

僕は、手間を惜しまず工夫を凝らし、仕事をしたいと思う。

僕らは経験的に、この小さな違いの集積で大きな成果が生まれることを知っているのだから。

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